■ はじめに:当ブログ「ETF統計解析ラボ」のコンセプト
当ブログでは、勘や感情を排除し、統計データと計量分析に基づいた客観的なクオンツ投資の実践記録を発信しています。
まずは現在の運用状況を公開します。
現在、資産の大部分(コア)は投資信託とiDeCoで構成し、強固な土台を作っています。

この安定したコア資産があるからこそ、サテライト枠として国内ETFを用いた計量分析(クオンツ運用)による超過収益を積極的に狙う戦略を採用しています。今回は、現在保有している「1625(NEXT FUNDS TOPIX-17 電機・精密)」の買いエントリーについて、そのロジックと直面した課題をデータとともに振り返ります。

■ なぜ「1625(NF電機精密)」を買いと判断したのか?
金曜日の時点では、私が構築しているクオンツモデルにおいて「1625」は明確な買いシグナルを示していました。具体的には、以下の指標群を統合的に評価した結果です。
【1. グローバル指標と価格伝播の解析】
・日米リードラグの検知: 前夜の米テクノロジー・セクターETF(XLK)の終値トレンドを解析し、国内の電機・精密セクターへの波及(ラグ)に優位性を確認。
・ADRと適正価格の算出: ソニーや東京エレクトロン等、構成比率の高い主要銘柄のADR(米国預託証券)動向と円換算値をトラッキング。ETFの真の適正寄り付き価格を算出。
・米株先物の圧力検知: CMEナスダック先物等の直前リアルタイム圧力を測定し、寄り付き前の地合いを定量化。
【2. 需給とリアルタイム・ノイズの排除】
・夜間PTSとショート残高: 国内主要半導体3社の夜間PTS終値から直近の国内需給・心理を測定。同時に、米主要半導体株のショート(空売り)残高の地殻変動から、グローバルな踏み上げ(ショートカバー)のマグマを判定。
・iNAV(推定基準価額)の監視: 1625のiNAVをリアルタイムで監視することで、板寄せ時の「見せ板」や過剰反応による価格ノイズを完全に遮断。
【3. マクロ環境と数理モデル】
・為替のサポートライン: リアルタイム為替(ドル円160円攻防)による、輸出企業が多い同セクターへの下値サポート力を算定。
・PCA(主成分分析)によるスクリーニング: PCAを用いて市場全体の方向性を検知し、ボラティリティの網掛け(制約条件)をクリアしたタイミングでシグナルが点灯。
信用取引(買建)を活用しているのは、これらの統計的エッジ(優位性)が確認できたタイミングで資金効率を最大化するためです。(※投資は自己責任であり、適切なリスク・ドローダウンの許容範囲内で余剰資金を用いて行う必要があります)
■ 【反省録】米雇用統計という「イベントリスク」の直撃
上記のように、純粋なデータ・統計上は「完璧な買い」でした。しかし、システム上は買いのサインが出ていたため、信用建玉も含めて勝負に出たものの、結果的に「マクロ経済の特大イベント」を跨ぐという重大なミスを犯してしまいました。
金曜日夜に発表されたアメリカの雇用統計がハイテク株にとって逆風となり、米株先物が大きく売られる展開に。月曜日の国内市場は、寄り付きから厳しい下げ(ギャップダウン)になることがほぼ確実な情勢です。
クオンツモデルのシグナルだけを過信し、イベントリスクを軽視してポジションを持ったまま週末を迎えてしまったことは、運用者としての大きな反省点です。
■ 今後の教訓:モデルへの「カレンダー・イベントバイアス」の組み込み
いくら統計的優位性のあるシグナルでも、巨大マクロ指標の前では無力化される(あるいは想定外のノイズが乗る)という市場のリアルを痛感しました。
今回の被弾を無駄にせず、今後はクオンツモデルのロジックに「カレンダー・イベントバイアス(金曜日×巨大マクロ指標の事前リスク評価フィルター)」を新設し、重要イベント直前はシグナルにフィルターをかけてポジションを調整(見送り、または縮小)するようルールをアップデートします。
当ブログでは、今後もこうしたリアルなデータ検証とルールの改善過程を赤裸々に発信していきます。
■ 免責事項
当ブログ「ETF統計解析ラボ」に掲載されている情報は、統計的手法を用いたクオンツ投資の検証過程やデータ分析の記録を共有することを目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
・投資の自己責任について: 株式、ETF、信用取引等の金融商品への投資には、価格変動リスク、為替リスク、流動性リスク等が伴い、元本割れや元本以上の大きな損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、必ず読者様ご自身の責任と裁量において行っていただきますようお願いいたします。
・情報の正確性・完全性: ブログ内に掲載するデータ、バックテスト結果、各種指標(シグナル)等のコンテンツについては細心の注意を払って算出・作成しておりますが、その正確性や完全性、最新性を保証するものではありません。当ブログの情報を利用したことによって生じたいかなる損害・損失についても、当方は一切の責任を負いかねます。
・クオンツモデルの限界: 記事内で示す過去の統計的優位性やバックテストの成績は、あくまで過去のデータに基づいた検証結果であり、将来の運用成果や市場の動向を約束・保証するものではありません。マクロ経済の変動や突発的なイベント等により、モデルの想定を超える事象が発生する場合があります。

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